作・梨屋アリエ 絵・菅野由貴子 『ツー・ステップス!』 岩崎書店

どうか、うまくとべますように
みんなの流れにのれますように
みんなと同じかっこうで

 主人公、小学五年生の小野崎藍は、「オノザ」と呼ばれています。本当はその呼び名があまり好きではないのですが、下の名前で呼ばれては、藍が所属している仲良しグループのリーダー格「アイアイ」こと今井亜衣とかぶってしまうので、仕方がない、と思っています。

 みんな、たいてい、アイアイと同じものがほしくなる。でも、全部そっくりなひと真似をしてはいけない。ほしいときは、色違いやデザイン違いを選ぶのだ。もしもどうしても同じものがほしいときは、四人で相談して、全員で同じものをそろえることにする。それがわたしたちのルールだ。(P.38)

 小学生に人気のブランド「ファン・ガル」のマフラーを四人でおそろいにしよう、と決めたものの、藍は、自分の親はおねだりしただけでそれを買ってくれるほど甘くはないからとあきらめていました。ひょんなことから買ってはもらえたものの、アイアイのマフラーが本物そっくりの偽物で、藍のものが本物だったことで、仲良しグループからはずされてしまいます。
 ああ……「小学校高学年の女の子の仲良しグループ」ってどうしてこんなにややこしいんだ……と、自分がその中にいた頃のことも思い出して、ため息をついてしまいました。
 場の雰囲気を見極める、というのは、年齢に関係なく要求されると思うけれど。まだ「子ども」と呼ばれる年齢の、むきだしで移ろいやすい感情を考慮しながら動かなくちゃいけないというのは、大人とは違ったしんどさがあるんじゃないだろうか。学校って怖いところだ、とつくづく思う。


読了日:2007/10/07 →日記での言及ページ


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