山田詠美 『姫君』 文春文庫

 母が首を吊ったのを見つけた時、ぼくが、まだ五歳だったのは幸せなことだ。
(中略)
 幼稚園から戻ったぼくは、カーテンレールにぶら下がった母の姿をながめながら、おやつを食べた。(P.9 『MENU』より)

 この出だしで、くらっときた……。
 『MENU』『検温』『フィエスタ』『姫君』『シャンプー』の、五つの短編が収録されています。
 『フィエスタ』の設定が印象的でした。体の中に宿る欲望が主人公。理性と言い合ったり怒りと協力したりしているようすがおもしろかったです。

人生なんか最初から狂ってる。(P.241 『シャンプー』より)


読了日:2007/02/05 →日記での言及ページ


山田詠美著作リスト