終業式(姫野カオルコ)/新潮文庫

 なんていうのかな、わがままを言ってくれなきゃ応対できないんだよ、他人は。 わがままを、ありったけのわがままをぶつけることが、それが他人を好きになるということなんだ。 好きな人にはわがままを言わなければ意味がないんだ。
 こんなことを言ったら相手に悪いとか、こんなことをしたら相手に悪いとか、そういうことを考えることがもう、 冷たいことなんだ。(P.345)

 ノートの切れ端に書いた手紙、FAX、結婚式の招待状などなど、高校の同級生の男女4人を中心に、 20年の間さまざまな人と送りあったり送らずに捨ててしまったりした手紙だけで構成されています。

 登場人物がその時々で思ったこと、月日を経てからわかったことなどがまざまざとわかります。 思いの丈を綴った手紙が「破ってゴミ箱に捨てたもの」となっていたり、 その後無難な手紙に書き直されたことがわかったりするのが切ないよ〜っ。あう〜(涙)。


読了日:2006/01/05 →日記での言及ページ


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