浅田次郎 『壬生義士伝』(上・下) 文藝春秋

 浅田次郎さんの作品は、『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』とこの『壬生義士伝』しか読んでいないけれど、どれも、とってもお互いを大切にし合っている、仲のいい夫婦が登場するという印象があります。


 幕末の混乱の中、形振り構わず、愛する家族を生かす道を探った吉村貴一郎。死の直前の彼自身が胸の内を語るパートと、明治・大正の世で、彼の関係者たちが自分にとっての「吉村貴一郎」のことを語るパートが交互に書かれています。


 吉村貴一郎の幼少時代、脱藩に至る経緯、新撰組での日々など、その生涯がさまざまな視点から丁寧に描かれていて、惹きこまれます。


読了日:2006/09/06 →日記での言及ページ


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