いつか記憶からこぼれおちるとしても(江國香織)/朝日新聞社

 私立の女子校に通うさまざまな女の子たちが登場します。「この子に私の人生はわからない」と思う、 「うらやましいとかじゃないけど、随分ちがうなー」と思う、当たり前なのに少し悲しくなる瞬間や、 無邪気だったり危うかったり残酷だったりする、いろんな女の子の生活の一コマが描かれます。
 章ごとに語り手が変わって、この子は友達からどう見られていたのか、 脇役だったこの子はこんなことを考えていたのかなどと、いろいろな視点で眺められるつくりになっています。
 欲を言えば、高野さん視点のお話があれば読みたかったな、と思います。

だって、もしなにかをわかるのに子供すぎるのなら、いつかわかるときがくる。 でも、なにかをわかるのに年をとりすぎているのだったら、その人はもう、永遠にそれがわからないのだ。 これはとてもかなしいことだ。とてもとてもかなしい。(P.144)


読了日:2005/11/24 →日記での言及ページ


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