風神秘抄(荻原規子)/徳間書店

 おもしろかった。気持ちの高ぶりや鎮まり、風景の描写の細やかさなど、 いちいちあ〜やっぱり荻原さんだなぁとかみしめつつ読みました。

 というか「坂東武者」だよ、主人公の姓が「足立」だよ、豊葦原のほとんどの鳥が忠誠を誓う、特別な血筋の人語を話すカラスの名前が「鳥彦王」だよ・・・!!勾玉にまつわる物語ではないので、正確には「勾玉三部作」の続編とはいえない、けれども勾玉三部作の流れを受け継いだ、地続きのお話だというだけで、わくわくしてしまいました。

 ・・・それでも、勾玉三部作や西魔女シリーズのようには、いまいちのめりこめなかったな、と感じてしまうのは、感情移入できるような、あるいは肩入れしてしまうようなキャラクターがいなかったからだと思います。

 草十郎も糸世も、他の登場人物たちも、魅力的だとは思うけれど・・・うーん、わたしのツボにとことんはまるようなキャラは今作にはいませんでした。

 ちなみにわたしが荻原作品でとことん入れこんだのは『薄紅天女』の苑上や、『西の善き魔女』のアデイルや、『樹上のゆりかご』の上田ひろみ(『これは王国のかぎ』のひろみではなく)だったりします。


 そういえば、今作には双子の女の子が登場しましたね。今まで、荻原作品に双子のキャラクターって、そういえば出てきそうで出てきてなかったな・・・「双子のように育った二人」ならいたけれど。


読了日:2005/07/16 →日記での言及ページ


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