バッテリーX(あさのあつこ)/教育歌劇

 登場人物たちひとりひとりの言動に、変化に、言葉にしない思いに、はらはらどきどき。 派手な試合が行われなくても、こんなにおもしろいんだ。

 突出した才能を持って生まれたということは、幸福なことでも恵まれたことでもない。 才能自体にふりまわされ、追いこまれ、人間として成熟しないまま、潰れていく。 そんな危うさを抱え持って、生きていかねばならないということなのだ。(P.138)

 巧はまさに、抜きん出た才能を持っていて、その危うさをいちばんわかっているのは、 やっぱり巧の祖父・洋三なんだと思います。

「巧、野球に選ばれるんじゃなくてな、野球を選ぶぐらいの者になれや」
(中略)
「おまえ、世の中に、どんなものがあるんか知っとるんか。自分がなにができるんか、 なにができないんか、なに一つはっきりわかってないじゃろうが。 そこをちゃんと知ったうえで、それでも野球をやろうとする者だけがな、自分で野球を選んだと言えるんじゃ。(後略)」 (P.139)


読了日:2005/04/15 →日記での言及ページ


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