死神の精度(伊坂幸太郎)/文芸春秋

 『グラスホッパー』はどうしても好きになれず楽しめなかったけれど、これは好きー!


 この物語に登場する「死神」の仕事は、指定された人間の調査を行い、 その人間が死ぬのを「可」とするか「見送り」とするか判断すること。 判断といっても、この調査精度は形式的なもので、よほどのことがなければ「可」と報告する、というもの。 死神たちは人間の生死にさして思い入れはないようですが、 人間たちの作り出した音楽は「聴いているだけで幸せになれる」と愛好しています。


 6つの短編に共通する語り手である死神・千葉の、人間たちとの距離感、 ずれ具合がおもしろいです(人間じゃないものが人間として紛れ込んでいるのだから、 ずれているのは当たり前のことだけれど)。


 一見、まったく別々の6つの物語ですが、思わぬところに繋がりが見出せるのがいいですね。
 「恋愛で死神」「死神対老女」が特に好き。


読了日:2005/11/15 →日記での言及ページ


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