りかさん(梨木香歩)/新潮文庫

 リカちゃん人形が欲しいと頼んだよう子がおばあちゃんからもらったのが、 黒髪の市松人形のりかさんだったことから、物語は始まります。

 日本人形というと、髪の毛が勝手に伸びていたりする、怪談を連想してしまうのですが、 このお話はそんなおどろおどろしいものではありません。 “思いの橋渡しのようなこと”ができるりかさん。 ようこはりかさんを通して、たくさんの古い人形たちと、その持ち主だった人たちの物語に触れます。 その中には楽しいものばかりでなく、時には目を背けたくなる悲しいこともあるけれど、 ようこはそれらを包み込む方法を学んでいきます。

 励ましたり奮い立たせたりするのとはちょっと違って、そっと背中を押してくれるような、 もう一度歩き出す手助けをしてくれるような、そんな感じは「西の魔女が死んだ」にも通じている気がします。


読了日:2004/08/02


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