卵の緒(瀬尾まいこ)/マガジンハウス

 『卵の緒』と『7's blood』の2作品が収録されています。

 『卵の緒』は語り手の小学生・育夫君の、あっけらかんと明るいお母さんのキャラクターが楽しかった。 育夫君に学校を休ませるくだりが好きです。 「おいしいものを食べたとき、それを食べさせたいと思う自分以外の誰かが、自分にとって大切な人なのだ」という、 日常の中のあたたかな風景になごみます。

それはもっと、摑みどころがなくてとても確かなもの。だいたい大切なものはみんなそうだ(本文より)

 『7's blood』では、高校3年生の語り手・七子と、腹違いの弟・七生の生活が描かれるのですが、 七生ができすぎていて大人びていて、七子のほうが駄々をこねているように思える場面が多々ありました。 様々なエピソードを通して描かれた、目には見えないけれど感じられる確かなつながりにじいんときました。

『本当の涙は、時も場所も選ばず襲ってくる(本文P165)』


読了日:2004/10/23


瀬尾まいこ著作リスト